タンパク質を摂ると疲れるのはなぜ？
合わない人が増えている理由を医食同源で考える

「タンパク質が足りないとよくない」「もっと摂ったほうがいい」。そう言われることが多い一方で、タンパク質を増やした途端に不調を感じる人が増えているのも事実です。
医食同源の視点で見ると、これは決して不思議なことではありません。

タンパク質で疲れる人が増えている背景

これまでの健康情報では、「1日に必要なタンパク質量」や「体重あたり何g」、「筋肉のために多めに」といった数字の話が中心でした。

しかし、医食同源ではこう考えます。

「タンパク質＝負担」になる3つの瞬間

消化に大きなエネルギーが必要

タンパク質は、体にとって消化コストが非常に高い栄養素です。分解・吸収には、胃酸、消化酵素、腸の働きが総動員されます。

そのため、疲れているときや睡眠不足、ストレスが強い状態では、タンパク質は「回復」ではなく「消耗」として働きやすくなります。

胃腸が弱っていると処理しきれない

「タンパク質が合わない」と感じる人の多くは、実は胃腸が疲れている状態です。
この状態で無理にタンパク質を増やすと、以下のような反応が出やすくなります。

• 胃もたれ
• 食後のだるさ、眠気
• 集中力低下

これは異常ではなく、「体が無理をしているサイン」なのです。

食事でもプロテインでも起こる

「プロテインだから合わない」と思われがちですが、肉・魚・卵といった食事由来のタンパク質でも同じ反応が出る人は少なくありません。
つまり問題は、タンパク質の種類ではなく、「今の体の受け取り状態」にあります。

女性に「タンパク質が合わない」が多い理由

女性は特に、以下の影響を受けやすい傾向があります。

• 冷えによる内臓機能の低下
• ホルモン変動による体調変化
• 胃腸の繊細さ

そのため、「健康のために」あるいは「足りていないと言われたから」という理由で急にタンパク質を増やすと、かえって疲れやすくなるケースが目立ちます。
医食同源では、量よりタイミングと体調を重視します。

回復になる人／消耗になる人の違い

同じタンパク質を摂っても、体調によって結果は真逆になります。

回復になりやすい人

• 胃腸の調子が安定している
• 食後に体が軽い
• 睡眠が取れている

消耗になりやすい人

• 食後に疲れる
• 胃もたれしやすい
• だるさが抜けない

これが医食同源の考え方です。

「足りない」と思う前に見るべきサイン

医食同源Labでは、次のような体感を重視しています。

• 食後に疲れていないか
• 体が重くならないか
• 胃に違和感が残らないか

これらがある場合、タンパク質を「足す」前に一度減らす・軽くするほうが体は回復しやすくなります。

タンパク質で不調を感じたときの対処法

よくある対処は「もっと良いタンパク質を探す」「プロテインを変える」「サプリを足す」ですが、医食同源的な順番は逆です。

よくある質問｜タンパク質で疲れるのはなぜ？

Q1：タンパク質を摂ると眠くなるのはなぜですか？

タンパク質は消化に多くのエネルギーを使います。胃腸が疲れている状態では、消化に体力を取られ、眠気やだるさとして表れやすくなります。これは異常ではなく、体が処理に集中しているサインです。

Q2：タンパク質不足なのに疲れることはありますか？

あります。ただし「不足＝量が少ない」とは限りません。吸収・消化がうまくいっていない状態では、摂っていても疲れが出ることがあります。

Q3：プロテインだけが合わないのでしょうか？

いいえ。プロテインが合わない人の中には、肉や魚といった食事由来のタンパク質でも同じように疲れる人がいます。問題は種類ではなく、今の体の状態にあります。

Q4：タンパク質を減らすと体に悪くなりませんか？

一時的に量を調整すること自体は問題ありません。医食同源では、「足りているか」より「処理できているか」を重視します。

 

タンパク質を摂って疲れる理由は、消化にエネルギーが必要、胃腸が弱っているなど「状態」の問題であることがほとんどです。
医食同源では、タンパク質を「善・悪」で判断しません。
今の体にとって、回復か、消耗か。
この視点を持つことで、食事は再び体を支えるものに変わっていきます。